従来であれば、遺影写真は亡くなってから遺族らが急ぎで生前の写真を探し、加工するという流れが一般的でした。しかし、いざとなってふさわしい写真がないこともあり、遺族の手を煩わすことにもなりかねません。そういった問題を解決する意味も含めて、最近では生きている間にご自分で遺影を用意しておく方が増えてきています。では遺影写真撮影にはどういった種類があるのでしょうか。
ひとつ目はデジタルカメラや携帯で撮った写メなどのセルフショットから好きな写真を選び、残しておくという方法があります。デジカメや写メだと手軽なのがメリットなのですが、祭壇用に大きく引き伸ばす場合に画像が荒くなってしまう可能性があるのが残念な点です。プリクラも同様の理由で遺影写真にするのは難しくなります。
ふたつ目は写真館やフォトスタジオで撮る方法です。婚礼や七五三などの前撮りで人気のある業者もあり、安心感があります。しかし、静止したまま撮るので、免許証のような雰囲気になってしまい、写真に動きやその人らしさが出ない場合が多いです。また遺影のモデルが病気や手足が不自由、高齢といったケースが多いので、店舗まで出向いて撮影となると負担になってしまうかもしれませんね。
そこで評判となっているのが、プロのカメラマンによる出張撮影サービスです。自宅や生前よく訪れた場所など、依頼に応じて出張してくれ、ロケーションフォトという撮り方で撮影します。普段の飾らない表情や自然な笑顔が撮れることが魅力です。全身の写真や上半身の写真、横顔や横向きから振り返った姿、楽しそうなピース写真まで、ご自分の好きな角度、好きなポーズで撮ることが可能で、細かい注文に応えてくれます。業者に頼み、プロに撮ってもらった写真はもちろん高画質ですので、葬儀用に大きく引き伸ばしても問題ありません。
ペットを飼っている場合は、ペットの撮影も可能です。ペットの出張写真は近年需要が高まっており、ペットのお葬式を行うときにも写真が必要になってきますので、ご自身の遺影写真とともにペットの写真も撮っておいてはいかがでしょうか。
また出張撮影サービスはデータ納品となるため、その後の印刷、加工、編集は自由に行えます。データを利用して、遺影写真を自分で作成する方も少なくありません。自作の遺影写真は費用の削減になるだけでなく、葬儀をより一層感慨深いものにしてくれます。
遺影写真は故人の人柄や人生そのものを表すものであり、後世に残るものであります。業者の出張撮影サービスを利用して、普段の命ある表情を写し、葬儀参列者や遺族に「こんな風に笑っていたな」とか「優しい表情をしていたな」とか思い出してもらえるような写真を撮っておきましょう。
