遺影写真の服装マナー・ルール

遺影写真は後に残る大切な一枚と同時に人生の有終の美を飾るものであります。昔は、遺影写真の服装は喪服(洋装であれば礼服のスーツ、和装であれば紋付袴姿や留袖)が決まりとされていました。喪服を着ている写真がなくても、写真屋に頼み、写真を加工して着せ替えることがマナーでした。しかし最近ではそういった風習も薄れてきて、男性のスーツの色やネクタイの色、女性の着物の色や洋服の種類の制限は無くなってきています。地域や家庭にもよりますが、その人らしい服装であればよいと考えられることが多くなりました。

その撮影を生前時にプロのカメラマンに頼む方も増えています。葬儀時にメインともなる写真ですから、どんな服装にしようか迷われることと思いますが、前述のとおり、自分自身を表すためにふさわしい、普段通りの服で撮影に臨まれたらいいと思います。このとき、帽子やメガネは目に影が出来たり、反射で写らなかったりするので、葬儀の中心に飾る写真にはお勧めできません。葬儀写真は遺族や参列者などたくさんの方が訪れる中で、全員に認識してもらう必要があるため、鮮明で分かりやすい写真であることがルールだからです。しかし、帽子やメガネがトレードマークという方もいらっしゃると思います。この場合は、葬儀時に大切にしてきた品々などをお飾りする場を設けて、そこに一緒に並べるのはいかがでしょうか。思い出の品々とトレードマークの帽子やメガネ姿の写真を置くことで、故人を偲べる演出になると思います。

遺影写真撮影はお気に入りの服装で撮影できるだけでなく、女性であればプロにメイクをしてもらえるところもあります。納得のいく写真を遺影写真にしてもらえるとなると、残りの人生を心置きなく楽しめそうですね。