ペットの死後にするべきこと

現在の日本において、殺処分となる犬や猫は大勢おり、殺処分数の統計数は年間20万匹にのぼるといわれています。それと相まって、劣悪な繁殖業者もあとを立ちません。動物愛護管理法の改定で生後56日未満の犬や猫の売買は禁止されたのもそういった背景があります。

歴史のあるペットの存在ですが、前述の問題も関係ないかのようにペットブームは加熱し、遺産を相続したいほどに溺愛されるペットは長寿の一方を辿ります。平均寿命も以前に比べて長くなりました。しかし、いくら寿命が延びて、長生きとはいえ、いつかはお別れしなければいけません。それが悲しくてペットロスになったり、後追いを考えたりする方が出てきますが、未練を断ち切るという意味でもきちんと火葬し、天国へ行けるように供養してあげてください。

例えばペットの犬が死んだら、どのようにすればいいのでしょうか。まず亡くなったら、首輪やアクセサリーを取り、体を拭き、清めてあげます。次にマットを敷いた箱に入れ、安置後、葬儀を執り行います。葬儀ではお悔やみの言葉として「ご愁傷様です」という言葉がかけられます。

一般的には火葬して骨壷に入った遺骨と位牌を持ち帰り、神社でお祓いをしてもらったり、自宅で死後49日の間、祭壇をつくり、お祀りします。祀る場所に決まりはありませんが、人間と動物は死後の世界が違うので、人間用の仏壇は避けましょう。四十九日間はお線香とロウソクを用意しましょう。49日法要にはお布施と49日法要用の花代を包むことがマナーです。火葬場は各都道府県にあります。都会の東京でも火葬できる場所はございますのでご安心ください。また火葬にも個別火葬、合同火葬など種類があるのでご自分の納得する方法を選びください。49日法要後は、ペット専用のセメタリー(霊園)や納骨堂に納骨しますが、中には納骨しない方もいます。自宅の庭に埋める方、庭に墓石を立てる方や遺骨を粉骨してプランター埋葬をされる方もいます。プランター埋葬は近年の住宅状況で注目されている方法ですが、プランターに土を入れ、そこに埋葬してお墓とする方法です。ハムスターなどの小さいペットならそのまま土葬が可能です。小さいペットだと燃えるゴミで捨てる方もいるようですが、出来れば供養してあげたいですよね。また、自宅場所に埋葬することに対して、遺棄になるのではないかというご心配があるかもしれませんが、この場合は法的には問題ありませんので、ご安心ください。

メモリアルグッズでの手元供養も増えています。分骨した遺骨をアクセサリーとしてメモリアルペンダントにしたり、ペットそっくりのメモリアルぬいぐるみにしたり、似顔絵で残しておいたり、鳥などであれば剥製にしたりするケースもあります。

猫の場合は死に際を見せないという話も聞きます。毎日猫が死ぬ夢を見たり、幽霊になってでもいいから会いたいという方もいることでしょう。飼っていた猫が迷子になってしまったら、亡くなったことも考えなければならないのかもしれません。また喪中はつらく悲しい思いでいっぱいだと思います。しかし、ペットを飼ううえでは、最期のときがくる覚悟も必要なのです。どうか悲しい思いはいつか忘れて、ペットと過ごした楽しい時間が心で輝くことを祈っています。そして命日にはお墓参りをしてあげてくださいね。